スポーツ整形外科について
Sports Disorders
スポーツ障害は、突発的または大きな外力による怪我と、特定の部位を酷使することにより発生する故障(使い過ぎ症候群)があります。一般の整形外科的障害と異なり、競技の特性や、治療後の競技生活を視野に入れた治療が必要になります。
プロスポーツ選手や、一般のかた、成長期の子供まで幅広く診療を行います。スポーツ障害は年齢に関わらず発症しますが、子供の骨や関節は成長過程にあるため柔らかく、治療しないまま負荷のかかる運動を繰り返し行うと、骨が変形したり、成長が妨げられることもあります。年齢や競技により個人差が大きく現れるので、早期の検査と適切な処置が必要です。
当院では、スポーツ障害に対する専門知識を持った医師と理学療法士がチームを組み、回復期のリハビリから運動充実、競技復帰への適切な処置を行います。トレーニング方法やフォームの改善、競技環境の見直しなど、患者さまの状況に合わせた競技復帰をサポートいたしますので、お気軽にご相談くださいませ。
スポーツ障害の例
Example
軟式テニスなど、手や肘をよく使うスポーツで起こりやすい疾患です。テニスを行う人だけに生じるわけではなく、釣りやゴルフなどのスポーツや、重い物を持つ動作を繰り返すことでも生じます。軽傷であれば一定の期間で治りますが、重症化している場合、適切な治療が必要です。
ボールの投げ過ぎが原因となることの多い疾患で、ジュニア期の野球投手に多く発生します。肘の伸びが悪くなる、肘に痛みを感じるなどの症状があります。痛みを我慢して投球を続けていると、肘の軟骨が欠けるなどして後遺症が残ることもあります。
10~16歳ごろの子供の膝に起こる障害です。ジャンプ動作での膝屈伸時や、走る、蹴るなどの動作により、膝下の骨が隆起し痛みを感じます。スポーツ全般で発生しますが、陸上競技、サッカー、バレーボール、バスケットボール、バトミントンで特に起こりやすい疾患です。
8~12歳前後の男児に多く見られる疾患で、かかとの腫れや痛みを伴う症状です。サッカーなどの運動時に強い痛みを感じることが多く、日常生活に支障のない痛みから、正常に歩けないほどの痛みまで、その程度はさまざまです。
スポーツ障害・部位別疾患
Symptoms
首
- 頚椎捻挫
- 頚椎椎間板ヘルニア
肩
- 腱板損傷
- SLAP損傷
- 野球肩
- 肩関節脱臼
肘
- 上腕骨外側上顆炎(テニス肘)
- 上腕骨内側上顆炎(野球肘)
- 離断性骨軟骨炎
手
- 腱鞘炎
- 手根管症候群
- TFCC損傷
- 舟状骨骨折
- つき指
腰
- 急性腰痛症(ぎっくり腰)
- 腰椎椎間板ヘルニア
- 腰椎分離症
股関節
- 単純性股関節炎
- 鼠径部痛症候群(グロインペイン症候群)
膝
- 半月板損傷
- 前十字・後十字靭帯損傷
- 内側・外側側副靭帯損傷
- オスグッド病
- ジャンパー膝
- 鵞足炎
- 腸脛靭帯炎
- 膝蓋骨脱臼・亜脱臼
下腿・足
- 腓腹筋部分断裂(肉ばなれ)
- シンスプリント
- 疲労骨折
- 足関節捻挫
- アキレス腱周囲炎
- アキレス腱断裂
- 足底腱膜炎
- 種子骨障害
予防とメディカルチェック
Prevention
運動前に準備運動やストレッチを行い、筋肉を十分にほぐしましょう。運動後のクールダウンも重要です。痛みや違和感が続く場合、できるだけ早く医療機関を受診し、ご自身の状態を知ることがスポーツ障害の予防や再発防止に役立ちます。
休養しても痛みが引かない、関節の違和感が続くなどの症状がみられる場合は、我慢したり軽視することなく担当医や整形外科の受診をおすすめいたします。